ついに自分の道を切り開いた〜

ずっと頑張ってきたのに、自分なりに精一杯やってきたのに、誰も褒めてくれないし、成果も出ていない。それどころか他人から嫌がらせを受けたり、馬鹿にされたり、パワハラにあって、もう立ち上がれないほど力を奪われてしまった、、、そんな経験をして、社会から逸脱してしまったかの様に感じていらっしゃる方は多くいらっしゃると思います。
私が出逢う方々は、例えば発達障害、あるいは、診断されなくてもグレーゾーンで特性を持っていらっしゃる方、HSP(Higher sensitive person)超繊細な人など、親や教師や周囲の大人が気がつかず、本人も生きにくさを感じてはいるが、皆ができることができない自分、親から否定されたり、叱られたり、教師から注意を受けたり、時には理不尽な怒られ方をされたり、自分が駄目なんだ〜と言う自責の念に苦しまれていらっしゃる方が多いです。
何とか皆と同じ様に、社会に適応する様に変わりたいけど、、、と訴えられます。
私は、まず、「あなたが変わる必要はないのです。」「あなたはあなたのままでいいのですよ。」
自分が悪い、おかしいのではなく、あなた自信が自分を理解して受け入れることから始めましょうと伝えます。
今まで親からも否定されてきた方々にとって、自分の価値観を変えるのはとても困難なことです。
私が数年前に出会った20代の男性を紹介いたします。
彼は、大学を卒業して就職にあたり、仕事は決まっていたものの、大変な不安に駆られていました。
以前にも大学在学中に恐怖感で学校に行けなくなってしまい1年間学校を休学したこともあり、また同じ目に会いたくないとカウンセリングを希望されました。
誠実で、素直で、真面目な若者です。
不安で眠れなく、突然途轍もない不安に襲われる状態でした。
私たちは、まず彼が安心できる状態を自分で作れるように、呼吸法や簡単な瞑想からスタートして、彼が今まで経験した傷つき体験を受け止められる様な状態を築く様にしました。
彼は、思春期あたりから、部活で毎日いじめに遭い、3年間耐え抜きました。親に辞めたいことを伝えた時、「もう少しだから頑張りなさい」と、彼を励ますつもりで言ったのでしょう。
それ以来彼は、いじめの話は誰にもしませんでした。
彼はこのトラウマで、自分の顔を鏡で見ることもできず、写真を撮られるのも無理になってしまいました。(とてもハンサムなのに、、、)
大学では、4年生の時に研究室で教授に無理を強いられて、ついていけず大学に行くことができなくなりました。
やっとの思いで卒業して、就職先も決まりましたが、勤務先の決定が遅れ、彼の希望が叶わぬことも判明して、彼は不安になり始めました。
その仕事は断り、半年間IT専門学校に通うことを決め、初めての一人暮らしとアルバイトに挑戦しながら,着実に自分の足で歩き始めたのです。アルバイトでの人間関係も、今までできなかったことに挑戦して、少しずつ自分が行動して自分にできるという自信をつけて行き始めました。
専門学校では、彼の真面目な性格が功をなし、リーダーシップを取れる様になりました。
卒業して、いよいよ就活ですが、苦手な面接を何度も繰り返し、彼はゆっくりとしたペースで、しっかり考えてから言語化するタイプの人なので、面接でも空白の時間が出来てしまい、自分でも練習して前向きに取り組んでおりました。
早いうちに、内定をもらったことが嬉しくて、彼は入社を決めました。早く仕事につきたいという焦りがあったのは確かです。
いざ仕事を始めると、教えてくれるはずの上司は何も教えず、課題ばかり与えて彼を苦しめました。
彼は一生懸命頑張りましたが、やったこともない様な仕事をどう頑張れば良いか、誰もわかるはずはありません。
いわば、とても良い上司とは言えない人が彼の上司だったのです。
そのうち、彼に対して否定的な言葉が多くなってきた様です。
彼は3年は頑張る覚悟でしたので、自分の限界を超えて頑張ってしまいました。
そしてある日から、会社に行くと気持ち悪くなり、食事が喉を通らず、ついにはパニック障害を起こすまでになりました。
ここまで来ると、もう会社にはいけません。
彼は、幼少期からいつも頑張ってきた人です。
歯を食いしばって頑張っても、その辛さを人には明かしません。
今回も、その彼のやり方で、本来の彼らしさとは違った行動をとって無理をしていたのです。
彼はどん底に落とされた様な、無気力、やる気が出ない状態になりました。
その頃もカウンセリングは続いていましたが、そんな大変な状況でも、泣きません、弱音を吐きません。
彼はここから、本当の意味で、自分とは?自分らしさとは?を考える様になったと思います。
ゆっくりと休養して、自分が好きなことをやって、自分が夢中になることを見つけて、毎日焦らず自分のペースで生活をすることを心がけ始めました。
そして、彼は自分がゆっくりとしたペースであることを始め、自分が不得手な特性を知り、自分が他人の様に行動する必要のないことを受け入れ始めました。
それからは、友人もできて、一緒に会ったり、小旅行したり、自ら就労移行支援を訪ねて、1年ほど通所し、その間も資格を取り、おしゃれする様になり、自分を大切に行動する様になりました。
その彼が春から新しい仕事を手にして、いよいよ社会人生活が始まります。
その姿は、以前とは全く違い、自分のペースで、人に影響されず、前向きな考えを持つ、本来の彼の姿がありました。
彼は、今は自分が好きだそうです。
そして鏡を見るのも楽しみでしょう。
良かった!彼はとてもハンサムですから〜
どれほどの困難を幼少期から感じてきたかを知る私は、一度も諦めず、助けて下さいと言えた彼、どんな時も信じて進もうとしてきた彼の勇気と誠実さに、心から祝福を送りたいです。
諦めないで、あなた自身を信じて下さい。
そうなるまで、カウンセラーが一緒に寄り添います。
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