時間が必要な場合がある
カウンセリングで出会う子供たちの場合、特に思春期時代だが、彼らが持つ苦しみや辛さは手に取るようにわかるのだが、親とのことに向き合うのに時間を必要とする場合がある。
どこかで、親に対して怒りや悲しみを感じていることを知りながら、認めたくない自分と戦っている。
その期間は、向き合うことができないものである。
それはとても辛い期間でもある。
ある思春期のクライエントから連絡をもらった。
当時は、苦しみの最中にあり、葛藤でもがいていた。
身体の症状も最悪で、自分で自分をどうして良いかわからない状態、、、それでもカウンセリングに通ってきていた。
感情の吐き出す先が見当たらず、時にはカウンセラーにその刃が向けられることもあった。
しかし、その苦しみがわかるから、クライエントの気持ちが治るまで気持ちに寄り添う。
そのクライエントは、カウンセラーに否定的な言葉を残して去った。
それから2年後に近況報告を送ってくれた。
その後苦しみ、入院を繰り返して、どん底の苦しみを味わい、ようやく退院して親元で今は安心感を得ながら、勉強しているという報告だった。
ああ良かったー
ようやく、自分と向き合うスタートラインに立っているのだなと感じた。
こんなふうに、向き合うスタートラインに立つのには、その人により時間がかかる場合がある。
これは思春期のみに限らず、全ての人に言えることだ。
自分と向き合う作業には、勇気が必要なのだ。
だからこそ、私はカウンセリングで向き合っている人たちに対して、誰よりも勇気がある人だと感じている。
分かっているけど、辛くても今のままの方が楽だと、人は自分の道を切り開くより、たとえそれが呼吸しづらくても、慣れた所にいたがるものなのだ。
そして、新しい道に行こうとする時、たいてい家族の中で孤立する。
だからこそ、カウンセラーのような、あなたをサポートする人が必要になるのだと私は信じている。
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