神様からのギフト


発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達に偏りが生じており、得意・不得意の隔たりが大きいため、自分でもコントロールできない状態なので、周囲の人との関わりで混乱や誤解が生じやすい状態にもなります。


周囲の人の最初の代表者が、養育者です。


このような特性を「自分勝手」「わがまま」「困った子」「怠け者」「何度言ってもいうことを聞かない」「規則が守れない」など、親も自分の育て方が悪いのではないかと必死に、周囲の社会環境に子供を合わせ

                      ようと厳しい態度で子供と接してしまいがちです。


スクールカウンセラーをしていた時に、小学校で一番相談が多いのが、児童の親からの子供の対応の仕方や、先生から手に負えない児童の観察と、どのように接したら良いかという相談です。


発達障害と言っても、その特性がはっきりわかりやすい場合と、グレーゾーンと言って、様々な特性を少しずつ兼ねている場合など、児童によって様々なのです。

例えば、ADHD(注意欠如、多動性障害)やアスペルガー(社会的コミュニケーションや対人関係の困難さなど)診断されたとしても、だからこうであるというパターン化は危険です。


パターン化は、ある意味わかりやすく簡単ですから、皆様そういう視点で児童を見てしまう事が多いです。大事なことは、その子をしっかりと観察する事です。


”観察する”


児童は、


 どのような得意、不得意な特徴を持っているのか?

 どんな性格か、これは大事です

 どんな家庭環境か

 親はどんなことに困っているか?

  (困っていない場合もあります。)

 学校で、先生が困っていることは?

 学校では、どのような行動特徴があるのか。

  忘れ物が頻繁、じっとしていられない、静かにしていられない、集団行動が取れない・・・

 

小学生の時に、様々な症状が洗われるものです。

この時期がとても大切です。

先生に学校での様子を聞き取り、

親からは児童の生育歴や、過去に発達に関わるテストを取っていたら情報を収集

病院にかかっている場合は、診断や服薬のことなど

家での様子を聞き取り

専門家がクラスでの様子を観察する

児童から心配なことなど聞き取り、

最終的に、全ての情報を集めて、先生、親、専門家ですり合わせをします。


学校では、専門家と言える人は、特別支援級の先生やスクールカウンセラーになると思います。


以上の情報と観察を、隠し立てなく、交換できる事がとても重要です。


私の経験からですが、親は幼少期から子育てにご苦労されており、葛藤しながらベストを尽くしてきていらっしゃいます。私と会う時は、どうしたら良いのかわからない、すでに疲弊している、気が付いてはいるが、自分の子供が発達に問題があるなど受け入れられないという精神状態でいらっしゃる方が、多いのです。

親としては、子供の将来を深く考え、なんとか社会で皆とうまくやっていけるようにと願うのは、当たり前のことです。その思いが先になりますので、今目の前にいる子供を観察できない事が多いのです。


先生方は困っていても、親御さんを前に、児童のはちゃめちゃな行動を正直に伝えにくくて、皆様ハッキリと親御さんに伝えられない場合が多いようです。


ですから、低学年くらいですと、様子を見ましょう、子供なんて落ち着きがないものですよ〜

というような表現で親に安心を与えたくなるのでしょう。


話を戻しますと、観察して、情報収集して、親、先生、専門家で児童の取説を作る事が必要です。

まずは、皆がその児童をよく理解することから開始です。

そうすると、できないことに対して、どのようなアプローチをすれば児童が混乱を生じないかなど、とてもよく見えてきます。

皆さんよく、児童に対して社会に適用するような訓練など考えがちですが、、、


この取説を作った後も、親と先生は情報交換を風通しよく続けて、児童の発達に合わせて、取説の内容も変更していきます。重要なのは、中学入学時には、この取説を必ず中学に引き継ぎ、親も担任の先生と同じように密な関係性を継続していくことです。

これができるだけで、児童の発達による二次的障害は防げるのです。


が、多くは、あるいはほぼ、これが出来ていません。

中学には引き継いでいると話は聞きますが、詳しい情報はありません。

例のパターン化情報ですので、意味はありません。


実際問題、WISCの心理テストをとっても、それで発達障害ですね、あるいはグレーゾーンですねという診断のみで、どのような特性があり、どんなふうに工夫すれば良いかなど、大雑把に病院で説明があっても、ほぼ生かされていません。つまり、親御さんも児童もよく理解していないのです。


私が中学校で出会う発達に特性がある子供達は、多くは暴れていたり、自傷行為をしていたり、とても苦しんでいる児童たちでした。

中学生になるまで、親に厳しく生活態度や勉強を指導され、頑張ってついてきたものの、エネルギー切れで、自分なんか存在価値がない、親は自分を受けいれてくれない、自信なんか全くない児童たちです。


親御さんと面接すると、ここまで子供が苦しんだだけあって、発達の特性があることを何となくわかっているのだけど、受け入れられていない親御さん達がそこには居ます。


ゆっくりと時間をかけて、親御さんが児童を理解すること、受け入れることが出来るように、お付き合いする必要があります。


なぜならば、親の理解が深まると、この子達は、本当に楽になり、自分らしく生きられるからです。


発達の特性とは、社会に適用しにくい部分ばかり目につきますが、実は素晴らしいギフトなのです。


例えば、


思ったことを口に出す → 自己一致しています。多くの人は裏表がありますね。

人が気にならない → 自分が興味があり、やりたいことをする。 こんなふうに生きられたらと思いませんか。

考えより先に行動 → 多くの方は、行動する前に考えて、人の目を気にして、失敗を恐れて行動できない場合もありますが、いかがでしょうか。ある男の子が私に教えてくれました。『友人から、失敗ばかりするよなと言われるけど、自分は失敗と思っていないから、変な感じです。やりたくてやるだけの行動だから、、、」

自分の興味があることしかしない → この様に生きられるって、どうでしょうか。


自分らしく生きている発達特性の児童が、幼少期から注意や叱られることばかりの経験をしたら、その輝きは失われて、貝のように閉じこもってしまいたくなりますね。


彼らの特性を生かすような支援をしていきたいと常日頃感じて行動しております。








最新記事