自分を愛するということ  〜ティっクナットハン師〜


2022/1/22 マインドフルネスを普及されたベトナム人禅僧のティックナットハン師が他界されました。


私は、10数年前に、偶然にティックナットハン師の本に出会い、マインドフルネスと出会いました。


いつも心にはありましたが、急に師が亡くなる2日前に、朝目覚め前に夢の中で「ティックナットハン」という言葉が現れました。


しばらくベッドの上で、何でこんなにはっきりと言葉が表れたのだろう。


何か意味するのであろうけど、私に何か伝えようとしてくれているのだと受け止め起きました。


その2日後に師が他界されたと知りました。


師の本に共感し、学び、私の臨床には密接につながっております。


師の言葉をここに残しておきます。



「自分を愛することとは、どういうことですか?」


ある弟子がティックナットハン師に問いました。


まず最初に息を吸うことです。


マインドフルネスに息を吸う。


呼吸に意識を向けると、自然と自分の身体の存在に気づきます。


身体は人間が知り得ない、素晴らしい働きをしています。


息を吸うと身体のことを思い出します。


そうすると身体のお世話が出来ます。


それが愛の始まりです。


身体は宇宙の傑作です。


肉体とは意識が宿る場所です。


宇宙の意識です。


身体には宇宙の歴史に関するすべての情報が備わっています。


祖先の存在を感じることができるのです。


自分の身体と通じることができれば、全宇宙と繋がることができます。


あらゆる祖先とも、将来生まれてくる存在ともです。


それはすでに身体の中に存在していて、この世に現れてくるのです。


母なる大地はあなたの内にあります。


足元の地面ではなく、周りの大気にでもなく、あなた自身の内に存在しています。


父なる太陽もそうです。


あなたは太陽の光によってできています。


新鮮な大気によって、清々しい水によってできています。


この神秘に気がつくと、この素晴らしさがわかると、たくさんの幸せが訪れます。


呼吸をすると身体に気づくのです。


身体がある喜びを感じることができるようになるのです。


生命の流れとつながり、祖先たちと繋がるようになります。


こうした気づきにより、傷が癒え、豊かさに満たされます。


身体にこわばりや痛みがあることに気づくでしょう。


これは長年身体に溜め込んできたからです。


長い間、身体をかえりみる事がなかったからです。


身体を苦しめてきたから。


マインドフルな呼吸は、この事実に気づかせてくれます。


身体の苦しみを減らしたいと思うようになります。


だからこそ、マインドフルネスに息を吐くのです。


すると身体のこわばりを解放する事ができます。


これは身体に直接に働きかける愛の行為です。


息を吸うと身体に気付きます。


息を吐くと、身体のこわばりをほぐす事ができます。


これが自分を愛するということ


身体と繋がる愛の行為です。


今この瞬間、幸福を感じられる条件がいくらでも存在しています。


マインドフルな呼吸をすると、喜びの感情、幸せな感情をたやすく生み出すことができます。


まさにこれが自分を愛するということです。


喜び、幸福の感情で自信を満たすことです。


またマインドフルな呼吸で、痛みを伴う感覚や痛みのある感情が出てくるかもしれません。


でももうわかっています。


痛みや悲しみに気づき、抱きしめるということができるということ、そして苦しみが減るということを。


苦しみに気づいたら、まず落ち着くことです。


するとさらに先に進むことができるでしょう。


苦しみを抱き締めることによって、苦しみに耳を傾けることによって、その成り立ちを深く見つめることによって、苦しみの根を、そのような苦しみを生み出した考え方を見つけることができるでしょう。


自分の苦しみの成り立ちが見えてきます。


するとその苦しみには、自分の父親の苦しみ、母親の苦しみ、祖先の苦しみまでもが含まれていると気づくでしょう。


自分自身の苦しみを理解することは、父親の苦しみ、母親、祖先の苦しみを理解することです。


そして苦しみの理解によって、常に必ず共感が生まれます。


共感には癒しの力があり、共感によって苦しみは軽くなるでしょう。


これも愛するということなのです。


そして苦しみが軽くなると、他の人を手助けすることができます。


息子や娘、妻や夫、家族の苦しみを軽くしてあげられるでしょう。


他の人の苦しみを理解すれば、もはやこれ以上の苦しみを味わうことはないでしょう。


そして自分自身の内にある共感のエネルギーによって、他の人々の苦しみを軽くしてあげたいという気持ちが生まれます。


その人たちの苦しみが軽くなれば、自分自身の苦しみも軽くなるのです。


そしてもっと喜びを感じることができます。


これが自分を愛する方法です。


そもそも、自分を愛する方法が分からなければ、誰かを愛することはできないのです。


自分を愛することとはとても具体的な行為なのです。




ティックナットハン師 2022/1/22 他界 95歳










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