親が仲良いことが子供の栄養剤
「死にたい」と言っている中学1年生の女子がおりました。
学校が変わって友人がいなくなった、学校がつまらない、、、
死にたいほどの内容は、すぐには話さない。
「お父さんとお母さんは、その気持ちを知っている?」
「まさか、言うわけないよ」
「二人は仲が良い?」
「それなりに」
「じゃあ、家は楽しい場だね」
「家にはいたくないし、学校にもいたくない」
ようやく、本心が見えてきました。
その子は、お父さんが外の女性とお付き合いしていることを知ってしまっのです。
何も知らなかった様に、家庭で過ごすことが苦しくて、独りで抱えきれずに追い詰められていました。
あなたがいかに苦しんでいるかを、親に伝えなければと言うと、「お願いですから、やめてください」
「そんなことしたら全てが壊れてしまう」「私が我慢すれば良いことですから」
子供は親が考えている以上に、色々なことを自分で背負おうとします。
虐待を受けている子供でさえ、この同じセリフを言います。「家が壊れるのが怖い」
愛し合って、結婚して、子供が産まれるということは、子供が安心して暮らせる巣を作ることです。
その巣が作れないほど関係性が壊れている夫婦ならば、なんとかしなければいけないのです。
「子供のために別れられなかった」と言いながら、結婚を続けることを選択したにもかかわらず、お互いを思いやる気持ちは失せて、冷たい関係を子供に見せつけてしまいます。到底安心安全な巣ではありません。
「家では話もするし、普通に過ごしていますよ」と親は言いますが、子供は感じています。
子供には両親が必要なことは言うまでもありませんが、時にはどうしても良い関係が築けない場合もあります。
その時は、離婚を選ぶにしても、子供に説明して納得が行く様にしてあげる必要もあります。
子供は、急に片親がいなくなる不安、悲しみ、恐れと言う感情を抱きながら、親にはその理由を問うことすらできないのです。
ある中学2年生の男子が、「先生、どうしてお父さん遠くへ行っちゃったのかな?」と私に問いかけました。
「先生が理由を知るわけないけど、お父さんのこと好きだったんだね」というと下を向いてうなづいていました。
「どんなお父さんだった?」と問いかけると、嬉しそうに会いたそうにずっと話していました。
「お父さんに会わせてもらえないの」「それは聞けない」
その子は、学校にも来ず、フラフラして悪さをしている子でした。
たまに、学校に顔を見せたときに、私と父親の話をしたのです。
子供は親が思う以上に、全てを感じたり観ているのです。
そして知らないふりをしながら、必死で生きています。
お父さんとお母さんが、少々喧嘩しても仲良くて、こどもが元気で毎日過ごしていることを、ただ喜んでくれたら、こんな栄養剤はどこを探しても見つからないです。
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