トラウマによる症状と回復過程

Kazue カウンセリングルームでは、トラウマをメインに扱っています。 トラウマとは何でしょうか。
そして、その回復過程にはどんな事が必要とされるのでしょうか。

私は、長年クリニック、依存症、家族機能問題、刑務所や学校での問題など多岐に触れてきて、 多くの心理的な葛藤の基本が幼少期に受けるトラウマと関わりがあると考えておりました。

私は、その回復過程には、様々な心理療法を組み合わせた統合的なアプローチが必須であると気づき、心理学を学び始めた頃からその流れを作り、お客様と取り組んでいこうと現在に至っています。それでは、是非お読み下さい。

長期にわたってジワジワと刻み込まれたトラウマ ?


ジュディス・ハーマンは、これを複雑性PTSDと呼びました。 この状態は、一度に大きなトラウマ (戦争、災害など)を受けるのと違って、長い間にわたって ゆっくりと刻み込まれるトラウマです。
育っていく過程で、経験されるトラウマとも言えます。 症状としては、パニック障害、摂食障害、アルコールをはじめとする薬物、ギャンブル、買い物、 性、インターネットなどの依存症、数々の自傷行為、クレプトマニア(窃盗)、うつ・・・など 様々な症状として現れます。その時の症状によって、複雑性PTSDだけではなく、ボーダーライ ン、不安障害など様々な診断名がつきます。症状に苦しむ多くの方々は、自分がおかしい、自分が 生きにくい、自分はなぜこのような状態になっているのか分からないので、とても辛いのです。 また、分かっているとしても、どのように向き合って良いか見当もつきません。 一人でこの作業に向き合う事は至難の技です。 カウンセラーと共に、自分という人間を観察し、知り、辛さを共感し、癒す作業が必要です。 そして、本来の自分らしさに気が付き、その自分を生きていく過程でもあります。

それでは、どの様にアプローチしていくか簡単に説明いたしますが、その前にトラウマ を経験すると、どのような事が起きるのかをお話しします。


・無力感
・恐怖
・孤立感ー人間関係の離断
・記憶が不明瞭(強烈な感情は記憶している)

 反対に細部まで克明に記憶しているが、感情が動かない

・トラウマ症状が、なんでもない出来事を引き金に強烈な感情と共に蘇る

 ➡️人間関係に支障をきたす
・自己の統制力不能


どうでしょう? こんな事が予測せずに自分に起こったら、とても怖くはないですか?

自分が自分をコントロール出来ないことほど怖い事はないです。

トラウマ治療の目的は力と自己統御を取り戻す事 !


力とは

 基本的信頼を作る、自己が何であるか知る、他者との親密関係を作る

自己統御力とは

 自己のコントロール力➡他者との新しいつながりを作れる


そして、回復は、あくまでも当人が自己統御のもとに遂行していく事


トラウマによる複雑性PTSDに対する効果的な心理療法は、様々な手法の統合的なものと言われて います。
そもそも、トラウマ として閉じ込められた感情と身体にアプローチするには、感情に触れる事、 感情に気づく事、感情の開放を経験する事、そして癒しを経験する事ができるという事です。 決まった公式ではなく、その人がどのような環境下で、どのような経験をされてきたかをしっか りと見定め、その方が主体となって進められていく必要があります。すぐに感情にアプローチで きるものでもありません。感情を扱う事ができる時期は、その方が自分の感情を受け止められる 準備ができた時です。セラピストは、これをしっかりと見極める力がなくてはいけません。 二度と怖い思いを経験しないように安全、安心な中でセラピーは進められなければなりません。 だからこそ、感情と身体の両方に焦点を合わせてセラピーを勧める意味があります。


それでは、どの様にアプローチしていくかお話しします。


🍀 安全の確保(リソース)


カウンセリング の過程で、自分を守ってくれる安心安全なものを見つけます。 ぬいぐるみ、柔らかいスカーフ、自然、お寺、神社、イメージ力のある方は何でも自分がリラック スできるようなほっとするような物や人物、ウルトラマンなどの強い架空の人物、、、 何でも、あなたがホットできて、あなたに安心を与えてくれる物です。
ほっとする➡️身体がリラックスします。力が抜けます。楽です。

 


🍀 簡単な瞑想や呼吸法によって、自分の身体の調整を行います。


呼吸は、唯一自分でコントロール出来るものです。呼吸に意識を向けて、鼻からゆっくりと息を 吸って、鼻あるいは口からゆっくりと息をはきます。呼吸をしている自分に意識を向けます。 吸って、はいて
 今呼吸している自分に気づきます。(マインドフルネス ) いろいろな考えが浮かんできて、翻弄されても、すぐに呼吸に意識を向け戻す事で、今の自分に気 がつきます。このような作業に慣れていくと、自己コントロールが上手くなります。

 


🍀 身体に委ねる


 充分に練習した呼吸法と簡単な瞑想の後、ゆったりとしたリラックスした状態で、自分の身体に 注目して、どのように感じているか観察する。ゆったりしている時は身体がどんな感じがする か、逆に緊張している時は身体がどの様に反応しているかを安全な環境下でセラピストと共に経 験します。 感情に関連する感覚や言葉が出てきたら、そこに焦点化し、しばらくその感覚を経験してもら い、そこからどんな感じを受けるか、その人が表現したいままに共にいます。ここからは、セラ ピストのスキルになります。その人が経験する感覚を、解釈や分析をする事なく、ただあるがま まに受け取る様サポートしていきます。

 


🍀 感情に焦点を当てる


感情との関係性が持てたら、感情をあるがままに置いておく事で感情が変化する事、変えようと すると変わらない事、感情はあるがままにしてもらえないと大きくなって苦しくなるが、そのま まにしておく事で落ち着いて本人と会話ができる様になる事を説明します。そして共に経験する。

 


🍀 自分のストーリーを語る


ある感情と結びつく出来事や人物が登場したら、Emotional Focused Therapyの手法である積極 的な感情表現を促進するための対話法を取り入れます。本人の心の中で未完了の体験が存在して いる事に焦点を当てる。未完了の体験とは、欲求が満足されない事の結果です。 ここで対話の場の設定をするが、その時に一番最初に用意しておいた安全で安心なシンボル、人 や物、あるいはイメージ力が助けになる。またアンカーの役目も果たす。 対話によって、その時に言えなかった事、我慢して抑え込んできた事、こうして欲しかった事など 言い尽くすまで声に出して対話を促す。主導権は本人です。抑圧された欲求とその欲求を持つ権利 が自分にあるという感覚が再喚起される。このアプローチは、セラピストによる共感的な波長合 わせと本人が充分に受け取られ、尊重される体験をする事が基本になります。

 


🍀 許しと自己への統合


感情を強く表現する事や、心底感じる欲求を他者に表す事で、欲求は欠乏や他者への非難として ではなく、自分のものとして所有され、自己から起こってくるものとして表現される様になります。

ここで初めて、再結合の段階に入る。
1. 自己を他者から切り離す
2. 他者に自分を不当に扱ってきた責任を取らせる (実際に他者に向けるのではありません)
3. 自分自身の行動を受容、肯定し自己価値を高める
4. 他者を理解する(許しを含める)ことを達成する、それができない場合は、他者を脅威的であ
  るとか、支配される様な存在ではないという新たな見方ができる様になる


本来の自分をブロックしているものに気づき、解放する事で、本来の自分と出会い、自分自身が 自分のありのままで他者とつながっていけるユニークな存在であることを認識する。
   


 大まかには、この様な手順で進めます。順番は前後する場合もあります。

この中には多くの心理療法が使われています。 特に、辛い経験をされてきた方は、自己コントロールが困難な状態にありますので、感情が溢れ 出してしまいそうになったり、時にはほんの些細な事で身体が凍りついてしまう様な事が起こり がちです。そのために、Somatic Experiencing (SE)や,感情に焦点化した、Integrated Somatic Psychology (ISP)は、もっとも正直な身体の反応をみながら対応していける心理療法として、ト ラウマへのアプローチには必要不可欠でしょう。
私が、わざわざ大まかな流れをここに記述しましたのは、このホームページにたどり着いてくだ さる方々は、きっと長期にわたり、辛い思いをされてきた方だと思っております。 ご自身の状態を本を読んだり、インターネットで調べたりして何とかしようと努力されてきたと 想像します。ですので、どの様な流れかをざっとでも理解していただいておきたいと思いました。 実際に、多くの方が結果的に人の手を借りずに自己調整ができる様になり、自分らしい道を歩き 出す姿を見せていただいております。 私との出会いは人生のほんの一部にしか過ぎませんが、一緒にトラウマからの解放を目指しま しょう。
 

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