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お母さんはがんばりました!


ある高校生Aと出会いました。


その人は、考え方が自立しており自分を持っている人です。


ユニークで、面白いことを考えるのが大好きで、興味がある、自分に有意義だと思うことには誰よりも集中して学び追求します。


頭が良い人です。


性格はポジティブで、もちろんですね、面白いことを考えるのが好きな人ですからー、合理的に物事を考えられます。もちろん情緒的な部分も備えております。


申し分のない人です。


ところが、学校では面白くない授業に参加を強いられ、やりたくない役割もさせられます。これが、やりたくないのはもちろんですが、こういうことが出来ないのです。


怠けてずるい考えなのではなく、頭の良い人ですが、嫌なことをやろうとする脳の機能が働かないのでしょう。


私達は、やりたくない事は後回しにしますが、やらなければ先に進めないと思うと、無理矢理でもやる、あるいはやったふりをしますが、、、それは無理なのです。


それでも、A君は自分の将来を見据えて高校に行く必死の努力をしています。授業の課題が終わると、他の興味があることを目立たない様に始めます。そこをつかさず、教師が指摘します。


服装チェックで、ポケットに手を入れている生徒に注意を促す生徒指導の教師の側に、ポケットに手を入れている教師を見つけて、ありのままに伝えます。「先生もポケットに手を入れていますが」

教師は、空気が読めないやつだという見方をします。自分の非を認めず、生徒の態度が悪いと話をすり替えます。


A君は、多くの生徒が心で感じていることを、自分の利害関係を考えて口にしないことを、口にします。


私はA君が、とても好きです。


自己一致しているA君と話していると気持ちが良いからです。


A君のお母様と初めてお会いした時、A君に特性があることを伝えた時、お母様はなんだかピンとは来ない様子でした。ああそういえば、、、でもそうかなあ〜


何回かお話を続けていくうちに、お母様がA君に寄り添って考えてくださる様になりました。


不登校が始まると、単位は取れるのか、このままで将来はどうなるのか、親として当たり前の不安に何度も襲われたことでしょう。それでも、カウンセリングでその不安な気持ちを素直に吐き出してくださり、一緒にサポートしていきましょう、A君は素晴らしいお子様ですという私の言葉を、振り切ることなく諦めずに、一緒に歩いてくださりました。


遂に、A君自ら発達傾向の特性がある自分に対して、テストを受けて自分の特性を知っておく必要があると判断し、テストを受けることになりました。

テストを受けなくても、A君は自分を知っていました。ただ、学校という規則が多い小さい社会の中で、診断名がつけば教師が少しでもA君に対して理解が深まるかもしれないという点で、私も賛成しました。


本来、学校は小さな社会です。様々な人が集まり、そこで血の通った人間関係を経験して、広い社会に出ていく前の予行演習の様なものです。

様々な人間がいて当たり前な環境、教師はそこで出会う生徒たちの一人一人の特性をつかめるはずです。一人の人として理解すれば、どの様に付き合っていけば良いかわかる様になります。その子が、本当に怠けて出来ないのか、忘れ物をするのか、よく観察すれば見抜けるはずです。


教師、学校を責めているのではなく、今の学校という環境が困難を生み出しているのかもしれません。


お母様は、A君と共にこの決定を共有し、彼の許可のもとに、担任の先生に、医師や心理士のアドバイスを伝えました。感情的にならず、冷静に堂々とA君とことを進めたお母様の行動には頭が下がります。


自分の子供に、思いを尽くした母の姿でした。


思いを尽くす。それは、こうあってほしいという親のエゴではなく、A君がなんとか高校は卒業しようと選んだ高校を卒業できるように、親としてできることを尽くした姿でした。


清々しい姿でした。

物ではなく、心を尽くすということを見せてくださいました。

お母様にはなまるをプレゼントしたい気持ちでいっぱいです。



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