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灯台

私がカウンセリングルームを開設するまで、心に大切にしてきたことがあります。


私の親しい友人は、若くしてこの世を旅立ちました。

人の3倍働いて、自分を生き抜いていたのです。

ですから寿命の3分の1で旅発ったと考えても、おかしくはありません。

当時、友人は自分との葛藤で苦しんでいました。

未だ、日本にカウンセリングが根づいていない時代でしたが、彼女はアメリカに留学した経験から

カウンセリングが自分に必要なことが分かっていました。

そこで、はるばる遠くまで、大学病院の中にある心療内科でカウンセリングを受けていました。

ある日、彼女と将来について語り合い楽しいひとときを過ごしていました。

その日の別れのシーンを今でもはっきりと覚えています。

じゃあね、またね!と別れを言い合いお互い違う方向に歩き出した時に、彼女が「やま!」と、

私に大きな声で呼びかけました。

振り向くと、大きく手を振って、「いつまでも、私の灯台でいてね!」と・・・

新宿西口の人ごみの中で、大声で私に叫んだのです。


こんなこと、今までなかったなあ~

と、なんだか嬉しいような恥ずかしいような気持ちで、帰宅したのを覚えています。


その数日後、突然の彼女の死を知りました。

それは、本当に突然、彼女も予想していなかった死でした。


私の灯台でいてね!


その言葉は、私の心から消えることはありませんでした。

当時、まだカウンセラーではなかった私は、カウンセラーの道を歩き出して、

この言葉をしっかりと胸に秘めています。


荒波の中でも、嵐の中でも、真っ暗な闇でも、灯台の明かりで照らし続ける。

それは、カウンセラーとして、とても大切な言葉を私に残してくださいました。


友人に感謝をこめて~


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