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母が息子に言った言葉「かっこいいね!」


約2年間、カウンセリングに通った方の終結が来た。


当初は、息子さんも高校から不登校が始まり、5年ほど家にいる状態で、シングルマザーで息子さんを支え、かつ原家族の母のお世話までされて、常に自分のことより人のことが優先される状況で頑張っていらした方だった。


数々のセッションを通して、さまざまなことが語られた。


そして、どれだけ頑張って生きていらしたかを常に感じた。


女手1人で、息子を支えて生きていくことは大変なことだ。


誰も助けてくれる人はいない。


初め、カウンセリング代金の捻出が困難だと正直に言ってくださったので、特別に30分で月1回から開始した。


お母様と息子さんが交互に来るようになった。


そのうち、なんとか代金が捻出できるようになり、1時間で月1回、真面目に毎回ご自身のことに向き合う覚悟でいらした。


不思議なことに、その方がいらっしゃる時は、季節に関わらず、蝶が舞った。


苦しい状況の中で、一生懸命生きてきた人は、何かが違う。


他人から頼まれたら、嫌とは言えず引き受け、家族からの依頼も引き受ける。


そんな生活の中で、一つだけ絶対に手放さないものがあった。


大事な音楽だった。


これだけは、どんな状況下でも諦めないで、それを生き甲斐に頑張れたと言っても過言ではない。


セッションを続けるうちに、ご自身を大切にすることの大切さを実感し始めて、ある日、息子さんに宣言した。


「私は、新しい楽器を購入したいと思っているの、それには費用がかかります。」


息子さんは、その意味をすぐに理解して、「つまり、僕は働かなきゃ、自分の費用は稼がなきゃダメってことなんだね。」


それから、息子さんは、本気で自分が働くための方法を見つけるために、あれほど嫌がっていた就労するための訓練の場を自分で探し始めた。


そして、相談者の支援を受けながら、まずは外に出ること、レクリェーションに参加すること、人と触れ合うことから始めた。


人と関わるのは最も嫌で避けていた人だった。


どうやら、その場所に通い始め、ついには、仕事もチャレンジし始めていた。


あれほど独り立ちすることを恐れていた青年が、母の真剣な一言で、立ち上がった。


母の息子への真剣な一言に、息子はこれはまずいぞ!と実感できた。


今は、朝早く1人で起床して、自分の朝食を作り、母におにぎりを依頼して持って出かける。


この生活をこなしているそうだ。


私は、どうですか? 息子さんの様子を見て・・・と尋ねると、


息子に「かっこいいね」と思わず言っていました。


ふう〜ん、きっと息子さん、嬉しかっただろうなあー


私は、この方はもうご自分の足で自分の道を歩んでいらっしゃる強さと自信を感じさせられた。


今までの、この方との時間が走馬灯のように流れ、感謝の気持ちが広がった。







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