top of page

発達障害と就活


大学でカウンセリングをしていて、とても気になる事がある。


3年生から就活の準備が始まるが、将来どんなことをしたいのか分からない学生ばかりだ。


確かに、自分が何をしたいか、どんな仕事が合うのかを見極めるのは、やってみないと分からないこともあるが、シンプルにこんな仕事したいなという希望もない。


何でこんな状態になっているのか?


私は、大学を選ぶ前に、自分がやりたいことを決めていたので、それに特化した大学を選択した。

サラリーマンには一切興味がなかったので、孤島の教師か、カウンセラーと決めていた。

まあ人生はなかなか思うようにいかず、そんな私が訳あってサラリーマンからスタートすることになってしまったが、、、

しかし、人生に無駄はない。この経験がのちに大いに役立つからだ。


学生を見ていると、とりあえず資格を持っていた方がいいと思い、安定した教師の道、公務員など、私が考えたこともない答えが普通に返ってくる。


きっと社会や親、大人から得た影響が多いのだろう。


小中高、おまけに大学まで奨学金(と言っても、大学が費用を出してくれる意味ではなく、ローンといった方が正しいでしょう。)を借りて、高いお金を卒業後は初任給から返金するのですから。


初任給からローンを返金する苦しさを親は教えないのでしょうか。


若いうちは、多くのリスクを覚悟で挑戦する時期なのに、奨学金に縛られ、そのためにも安定した就職口を見つけるという変な構図になっている。


このような社会で、発達障害(私はこの言い方を好まない。誰しもある特性の差が激しくて凸凹状態といった方が合っている)の方が、ただ将来の安定のために、どんな会社でもいいからと考えると、辛い思いをすることになる。


興味を持っていることであれば集中力が高く、優れた能力を発揮できる人が、興味がない仕事に着いたらできないどころか地獄である。


どんな安定した公務員の仕事についても、毎日死にたい気分になるのである。


大事なことは、自分がどんな事が好きで楽しめるかなのです。そのためならば誰よりも頑張れるはず。


ある発達の特性を持つ方の親御さんが、自分の子供の特性を知り、「それでは一体どんな仕事ができるのでしょうか?」と質問された。


どんな仕事ができるかではなく、その子がどんな事が好きで楽しんできたかを観ていないから、こういう質問になってしまうことに気づいてほしい。


音楽が好きならば、その道へ進めばいいし、サラリーマンにならなくても稼ぐ方法は、いくらでもあるということを、親が自信を持って導いてあげてほしい。


大学卒業して、企業に勤めるだけが道ではない。


好きなことを追求して、そのためにバイトの生活もありなのです。


道は一つの方向でなく、末広がりのように開かれていることを、親や大人が教えてこないから、多くの若者は、自分のやりたい事が見つからないのかもしれません。


今朝、ニュースで宮崎県で椰子の木を育てている農園の話を取り上げていた。植物が好きならば、こんな仕事もある。


また、本当に美味しい醤油や酒を作る話もあった。


ある若者は、都会から宮崎に移り、こんな仕事をしながら、職場で仲間と楽しそうに笑い、彼が移住した本当の理由はサーフィンがやりたいからだった。そして、休日はそれを実現している。


これが生きるということではないかなと、私は思う。


仕事は、ありとあらゆるものがある。


自分が好きだなあ〜 面白いなあ〜と思う仕事はいくらでも探せる。


私は、最もやりたくないサラリーマンをしなくてはならなかったが、自分で仕事を選択できるようになってからは、たとえバイトでさえも自分の好きな仕事しかやってこなかった。だから仕事が面白かった。最終的には、以前心に決めていたカウンセラーを実現している。


私のように、始めから思うようにいかない場合もあるが、その時は自分ができることを精一杯楽しめば良い。するとそこから道が開かれていく。どんな時も、自分が楽しむことを教えてあげたい。


最新記事
bottom of page